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仕事とは?② - 誰のため? (1) -

人はみな、裸で生まれてきます。それも何も持たないで生まれてきます。

 

その後、大人になると通常多くの人は仕事をし、いろいろあって、そのうち死にます。

 

さらにその後、天国とか地獄とかいろいろそんな感じのところに行くかもしれませんし、行かないかもしれません。で、そこでまたなんか、いろいろあるかもしれませんし、ないかもしれません。

 

でも、そもそも何も持たないで生まれてきた自分が、なんでそのうち身体的・精神的・経済的にとか、能力的にとか、各種さまざまな「もの」や「力」を持つようになり、自立して仕事ができるようになり、さらにいろいろ持つようになったのでしょうか?

 

それは、家族とか学校とか周りの人とか社会とか、とにかく自分以外の人からいろいろ必要なものが与えられて、自分以外の人たちに生かされて、育てられてきたからだと思います。

 

つまり他者の各種「奉仕」や「仕事」によって、自分が生きるのに必要なものが得られたからではないでしょうか。

言い方を換えれば、他者が「私のために」有償・無償関係なく、「仕事」をしてくださったからだと思います。

 

自分が何も持たないでいた幼いとき、今では記憶さえもないちゃらんぽらんで、平気でアホづらして鼻を垂らしていたとき、親や周りからいろいろ与えられたから生きてこられました。

 

その与えらられた食べ物でも服でも住むところでもなんでも、それらは自分の知らない人が作ったり売ったりしたものです。

自分の知らない人、直接関係のない人の「仕事」によっても生かされてきたということです。

 

さらに自分が自立するようになって、仕事をして自分で生活できるようになったはずの今でも、やはり他者の仕事によって自分の生活が支えられて生きています。

これからもそうでしょうし、死ぬまでそうでしょう。

もしかしたら、天国とか地獄とかそういうところまで行ったとしてもそうかもしれませんし、そうじゃないかもしれません。

 いずれにせよ、「他者」の仕事によって自分が生きてこれて、今も生きていることはたしかでしょう。