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仕事とは?③ - 誰のため? (2) -

「他者」というと、ときどき、もしくはいつも嫌な思いをさせられ、ときどき、もしくはいつも不満があり、ときどき、もしくはいつでも人間嫌いになれる準備ができているくらいな対象だったりします。

 

そんなギリギリな存在である「他者」の仕事に助けられて自分が生かされていると考えると、なんだか複雑な思いになり、酒もあおりたくなります。

でも、そう考えていくと、「仕事は『自分のために』にするものだ」という民の声にたいして、「そうではないんじゃないでしょうか?」という思いも湧き上がります。

たしかに仕事は自分のためにするものです。

けれども、ただ自分のためだけじゃない、「他者のため」というのがないと、仕事は成り立たないと思います。

「他者のため」と「自分のため」、その両方が同じレベルで同じステージに立ってデュエットすることが仕事だと思います。

そして「他者のため」にすることによって、結果的に「自分のため」になるとか、そんな感じではないでしょうか。

他者のために仕事をして、自分のためになる給料などの報酬を得るわけです。

給料だけじゃなく、やりがいや生きがいなどの喜びも得るわけです。

「与える」ことによって、「受ける」わけです。

「受ける喜び」もあれば「与える喜び」もあるわけです。

 

さらに仕事上におけるさまざまな「縁(えん)」も、わたしたちの人生における支えと助けになっていることもたしかだと思います。

人との関係は悪いことばかりじゃなく、良いこともたくさんあります。

もっといえば、「悪いこと」も考え方次第で、自分の成長のためなどで役に立っています。

成長とは、最高の幸せへの距離が縮まること、もしくは幸せのレベルだと思います。

成長すればするほど、幸せポイントがアップするということです。

 

そうなると、最初から最後まで仕事の主役は「自分と他者」で、主人公は「人」であり、仕事の目的は「人」ということになると思います。

つまり、仕事とは「人が」「人のために」「人とともに」するものだと言っても怒られないはずです。

そしてその「人」というのは、自分以外の人すべてです。

学歴不問、職歴不問、国籍不問、身分不問、自分の知っている人も知らない人も、会ったことのある人もない人も、未来人も過去人も、宇宙人も地底人も(いるとしたらね)、あの世の人もあの世に行ったことがある人も(これはいると思う)、とにかくすべての人です。

 

いずれにせよ、人と人はつながっていて、人と人とがつながっているがゆえに相手が不幸なら自分も不幸で、相手が幸せなら自分も幸せというシステムの世の中にあるため、自分が「幸せ」になるために、「人のため」「他者のため」という「仕事」が一つの主要で重要な道具となっていると思います。